[読書感想文]「自分でできる子に育つほめ方叱り方 島村華子著」レビュー
今回は、
「こどものほめ方や叱り方がわからない」
「ふだんの声がけがこどものためになっているのか?」
「こどもとけんかになりがち」
といった悩みを解決する糸口になる書籍の紹介です。
わたし自身も2歳児の父親として、おなじことに悩んでこの本を手にとってみました。
この本は、児童発達学の理論や研究データにもとづいて書かれています。
実際に、わが子にためしてみてうまくいったこともあったので、
そこも含めてこの本を紹介していきます。
Table of Contents
この本を読むメリット
さっそく結論ですが、具体例をマネするだけでも十分役立つ本です。
ほめ方や叱り方の方法が2章と3章でのっていて、
具体的かつ論理的にわかるのがこの本の最大のメリットといえます。
実際にためしてみた
本の具体例をひとつためして、見事うまくいきました。
やってみたのは、「部屋を散らかしているとき」です。
言ってはいけないのは、「早く片付けなさい」なのですが、
例のごとくしっかり毎回おなじことを我が子に言っていました。
紹介されていた良い例は、「お洋服をいっしょにたたむのやってみようか」です。
おもちゃのミニカーを出しっぱなしにしていたので・・・
ミニカーを散らかしたままごはんの時間になったので、
「早く・・・」
と言いかけたところをグッとこらえ、
「パパといっしょにクルマを片付けよう!」と申し出たところ、
「はい!」と一発で快諾。
素直にいっしょに片付けをはじめてくれました。
まさに、この本に書かれていることが大成功したわけです。
無条件の子育て
前述のミニカー片付けを例にすると、
「早く片付けなさい」は大人の都合です。
ごはんを食べる時間になったので片付けをしなさいと言っているだけ、
とでも言い換えられるでしょうか。
しかし、こどもを思い通りに動かす気持ちをいったん横に置いて、
「いっしょに片付けよう」という行動を提案することで、
こどもに寄り添った声がけになったのだと思います。
本書では、この気持ちに寄り添っていかなるときも愛情を注ぐ方法を、
「無条件の子育て」と呼んでおすすめしています。
条件つきの子育て
これだけだとわたしは少しわかりずらいと感じたのですが、
逆の意味の「条件つきの子育て」について理解するとしっくりきました。
条件つきの場合、こどもが大人の思い通りに行動したときだけほめて、
従わないときは罰を与えるなどしてコントロールしようとすることになります。
ようするに、こどもの考えを尊重することなく、
大人の都合だけを押しつけるためにほめる、または叱ることと言えます。
頭ごなしに言われたら大人でもいやですから、
こどももおなじ気持ちだったんだな、ということを思い知らされました。
条件つき子の育てのデメリット
「条件つきの子育て」によって、こどもも大人も嫌な気持ちになる、
これだけがデメリットではありません。
「条件つきの子育て」を続けられたこどもは、
周囲に認められていないと自分を評価できない、
いわゆる「自己肯定感の低いこども」になってしまいます。
そのまま大人になれば、
自信がなくなんでも自分で決断できなくなったり、
自分のこどもにもおなじように条件つきでしか接することでできなくなったりしてしまうでしょう。
とにかくこどもを尊重する
よって、この本の最大のポイントは、
こどもを尊重する「無条件の子育て」と言えます。
わたしがひとつためしてうまくいったように、
「無条件の子育て」を実践する具体的な言い回しがたくさん載っています。
こどもの声がけに悩んでいる、
ほめ方、叱り方がわからない、というかたにおすすめできる本です。
大人にはこころの余裕が必要
とは言いつつも、
この本の内容にデメリットがないわけではありません。
1、大人には相当なこころの余裕が必要であること
2、結果が出るまで時間がかかる
3、こどもの発達段階を知っておくなど、予備知識が必要である
この三つが、わたしが感じたデメリットです。
できることから少しずつやっていく
1や2のデメリットに関しては、この本のあとがきにて、
「腑におちたこと」「できること」から少しずつやっていくことをすすめています。
月並みですが、すべてを最初から完璧にできる人は悩んでいないはずです。
しかも、叱ったあとは行動が変わるのでわかりやすいですが、
ほめた後には本人が喜んでいても、
本当に効果が出ているかその場ではわからないですよね。
後日、ほめたときの行動をまたやってくれればラッキーぐらいの気持ちだと思います。
親になるにも勉強が必要
3の発達段階に関しては、
わたしも全くわかりません。
ただ、興味と関心はあるので、
参考になるわかりやすい本がないか探しています。
よい本を探し出して紹介できたらと思います。
まとめ、過度に落ち込まずに
いずれのデメリットについても、この本はおりこみ済みです。
そのうえで、大人も人間ですから、
いつでもこころに余裕を持って、気長に結果を待つなんてできずに、
叱ってしまったり、うまくほめることができなかったりするでしょう。
それでも過度に落ち込まず、
また次にできるようにすればいいと思います。
大人も自己肯定感を高く持とう、ということかもしれません。
わたしは成功体験を積むことができたので、
今後も試していこうと思っています。
一度手にとってみることをおすすめします。
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